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断熱と遮熱は、主に熱への対策方法の点で異なります。
断熱は、壁の内部を通して出入りする熱の量を小さくします。
具体的に、冬に外から侵入する冷気や内部から外に逃げようとする熱の量を抑え、部屋の中の温度を一定に保つことが役割です。
それに対して遮熱は、強い日差しとそれに伴う熱が家の中に入り込むことを防ぎます。
そのため、遮熱には冬の保温効果はありません。
以上を踏まえたうえで、断熱と遮熱の違いを詳しく見ていきましょう。
・目的の違い
・仕組みの違い
・効果が高い季節の違い
上記3点をそれぞれ解説します。
目的の違い
断熱と遮熱の共通目的は家を快適に保つことですが、快適な住宅を目指すためのアプローチが異なります。
先述の通り、断熱の目的は壁の内部から流入・流出する熱を少なくすることです。
家の外と中の温度差によって家の中の暖かい空気が外に出たり、反対に外の冷たい空気が家の中に入ってきたりすることを防止します。
一方で、遮熱は日差しを遮ったり直接反射したりして、家の中が日差しによって暑くなることを防ぐのが目的です。
特に、夏場の暑さ軽減に効果的であり、蒸し暑さを解消できるでしょう。
仕組みの違い
断熱は、壁や窓など、建物が外部と接触する部分に使用され、熱の伝達を遅らせる仕組みです。
外部からの熱が内部に伝わりにくくなるだけでなく、室内の熱が外部に逃げにくくなります。
遮熱は建物の屋根や外壁、窓ガラスなど日差しを受ける部分に使用され、赤外線などを含む太陽光を反射して熱の侵入を防ぐ技術です。
太陽光に伴う熱の侵入を妨げて、部屋の中が暑くなることを防ぎます。
効果が高い季節の違い
断熱は1年中その効果を実感でき、特に冬に得られる効果が大きいといえます。
冬は、外から冷たい空気が中に入り込むことに加えて、部屋の暖かい空気が外に逃げることも防ぐ必要があります。
高い断熱性を持った素材を使えば、壁を通して出入りする熱の量を抑えられ、快適な室温を維持できるでしょう。
一方で、遮熱の効果は主に夏場に得られます。
夏は日差しが強く、日差しとあわせて部屋に入ってくる熱の量も大きくなります。
日差しは夏の暑さの主な原因の1つであるため、遮熱によって熱の侵入を防止できると暑さ軽減に大きくつながるでしょう。